感染性腸炎|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

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感染性腸炎

疾患別コラム:感染性腸炎

感染性腸炎とは

急性の下痢症状を引き起こす代表的な病気です。原因はウイルス、細菌、寄生虫、原虫など様々です。下痢症状のみならず、発熱、腹痛、嘔吐、血便など複数の症状を呈します。急性の感染性腸炎のほとんどは数日で自然軽快に至ること、特別な治療を要しないこともありその原因について精査し特定に至ることの方が少ないと言えます。
症状はひどい場合や特殊な場合に便の培養検査などを行い、その原因を確認できることがあります。ウイルス性が原因の場合、ノロウイルス、ロタウイルスなどが大多数を占め、冬季に増加傾向を認めます。
細菌性では、カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌などがその代表でウイルスとは逆に夏季に多く発生する傾向があります。
感染経路はウイルスの場合は貝類などを発端としその後は吐物や便からわずかなウイルス量で人から人へ感染します。潜伏期間が半日から3-4日であり順番に家族内で発症者が出ることも珍しくありません。
症状の強さに程度はありますが多くは1-2日で軽快傾向へ向かいます。細菌性の場合は感染性腸炎を起こす細菌と感染源となる食品が比較的対応していることがあります。カンピロバクターと鶏肉、ビブリオ腸炎と海産物、サルモネラと鶏卵・鶏卵加工製品などです。
いつどこで感染するかを周知することは難しいですが、感染者との接触を避ける、適切な感染防御を行う、火が通っていない食品には注意する、衛生状態を維持するなどが個人でできる予防対策となります。

症状
下痢、腹痛、嘔気、発熱、症状がひどい場合は血便や高度の脱水症状に至ります。

必要な検査
原因菌の特定に努める状況であれば便の培養検査が必要です。便そのものを採取する方法、細い綿棒をお尻に数cm入れて便汁を採取する方法、最近はノロウイルスの検査キットも使用されています。

治療方針
多くの場合自然軽快しますので、症状に合わせた治療が選択されますが原則食事は控えめかお休みにします。脱水症状がひどい場合は点滴による水分補給を行います。
内服で経過を見る場合は整腸剤などでの腸内環境の修正を行います。
下痢を直接止めるような下痢止めの薬については菌を腸内に滞らせて逆に症状を遷延・悪化させます。このためよほど理由がない限りは感染性腸炎に対する下痢止め処方は行わないことが一般的です。
細菌性腸炎の場合、便の培養検査結果を待ってから治療薬始めるとなると約2週間後以降になってしまいます。それでは治療開始の意義がなくなりますので、明らかに特定の細菌が疑われるケースでは結果を待たずして抗菌薬を使用することもあります。

「感染性腸炎」について、
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新宿しまだ内科クリニック院長
高林英日己

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