アメリカで大腸がん死亡者数が減った背景→多くの人が大腸カメラを受けた|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

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大腸がんのお話

アメリカで大腸がん死亡者数が減った背景→多くの人が大腸カメラを受けた

新宿しまだ内科クリニック高林です。

今回はアメリカで大腸がん死亡者数が減った背景についてです。

アメリカと日本の大腸がんの近年の状況をお示しします。
アメリカでの大腸がんの死亡者数が頭打ちとなり減少に推移しつつあり、日本では戦後からぐんぐんと上昇しています。
年齢調整死亡率ではアメリカでは1960年代から近年まで低下傾向にあり、日本ではようやくゆるやかな減少を傾向をを見せ始めているという程度です。

アメリカは日本と違い、全ての国民が医療保険で医療を受けられるシステム(国民皆保険制度)がありません。医療保険に加入しているか否か、もっと言えば所得があるか否かで受けられる医療が変わってきます。医療保険に入っていない方がもし大腸カメラを受けた場合、全額が自費診療となります。アメリカでは鎮静薬使用下での内視鏡検査が日常ですので、それらの全額となるとかなりの負担になります。しかしこの費用が問題で検査を受けることができない方々が多くでてしまうのは国としてはデメリットです。そのため10年間に1回だけ無償で大腸カメラを行えるというシステムを敷きました。これにより多くの国民が大腸カメラを受けることができたのです。さらには前がん病変であるポリープ、これらは全てががんになるわけではありませんが、アメリカでは極力ポリープを切除して何もない大腸、いわゆるclean colonを目指す方針をとりました。この結果、アメリカでの大腸がん年齢調整死亡率はぐんぐん下がり、死亡者数も日本が大国アメリカを上回る事態となりました。

現在の日本では、
いかにして大腸カメラを受けて頂くか、そして
どの年代に、かつ、
どのくらいの間隔で検査受けるべきなのか
そしてポリープは根こそぎ取るのか、
取るならば、その受け皿となる医療機関や内視鏡医の数は担保されているのか、
日本の大腸がんを減らす上でこれらが議論の焦点となっております。

次回は大腸がんの診断契機と生存率の差についての内容です。

大腸がんについてご不安な方、
大腸がん検診の便検査で要精査になってしまった方、
大腸カメラのご相談をされたい方、ぜひ当クリニックへご相談ください。

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新宿しまだ内科クリニック院長 高林英日己