ピロリ菌(Helicobacter Pylori)と胃がんの関係|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

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胃のお話

ピロリ菌(Helicobacter Pylori)と胃がんの関係

新宿しまだ内科クリニック高林です。

2024年4月からこちらのクリニックで院長として診療をさせて頂くことになりました。

島田昌彦先生は院長から理事長となられまして、引き続き新宿しまだ内科クリニックと銀座しまだ内科クリニックで診療いたしますのでご安心ください。私の自己紹介については、当クリニックのHP「医師紹介」https://naika.clinic/doctor.htmlをご参照頂ければ幸いです。

今後、こちらのコラムで「おなか」について、特には食道、胃、大腸、肝臓などの話題について、情報提供を少しずつさせて頂き皆様にお役だてできればと思っております。

まずは胃の話題からで、ヘリコバクターピロリ菌(Helicobacter pylori)、いわゆるピロリ菌の内容です。今回はピロリ菌と胃がんの関係

ピロリ菌という言葉を耳にされたことがある方は多くいらっしゃると思います。ピロリ菌はいくつかのご病気との関連が報告されております。今回はピロリ菌の胃に対する影響についてお話します。

ざっくり申しますと、ピロリ菌は胃の粘膜を荒らしてしまいます。胃にひどい傷を負わせる胃潰瘍(かいよう)の主たる原因のひとつでもあります。また最たる問題は胃がんの発生に関与していることです。ピロリ菌の影響には個人差がありますが、長年感染しその影響を受け続けると胃がん発生に大きな関与をしてきます。日本人の胃がん患者様の実に99%以上がピロリ菌に感染している、あるいは感染していた方であると報告されております。つまり、胃がんの患者様100人のうちピロリ菌と関連のない胃がんの方はわずかおひとり、あるいはおひとりもいないかの割合になります。

ピロリ菌に感染していても、多くの方々が何も症状を感じないとされています。つまり、感染したことも、感染していることさえもわからないことがほとんどです。たまたま受けた市町村の健診、人間ドック、別の理由があり行った胃カメラ検査などで偶然その感染が疑われ、その診断がつくことが多いのが現状です。しかし、症状はなくても、前述のように日本人の胃がんには多大なる影響を及ぼしていることから、感染がわかった際にはピロリ菌を薬でやっつけてしまう治療が保険で認可されております(除菌治療についてはまた別のコラムでご紹介を致します)。日本においては除菌治療でおよそ95%の方がピロリ菌を駆除できます。

また、ここで重要なことは、除菌治療後も胃がんになる可能性が決してゼロにはならないことです。未感染の方々と比較し除菌後であっても胃がんの発生率は明らかに高いです。このため、最も重要なことは除菌がうまくいっても、定期的な胃カメラ検査を行うことです。万が一胃がんができてしまっても、早期に発見ができれば胃カメラ(内視鏡)での低侵襲手術でがんを根治できる可能性が高まります。つまり、外科手術、いわゆるおなかを切って胃の大部分を切除するようなことなく胃がんを根治できるのです。このことについても今後コラムでお話したいと思います。

・ピロリ菌の感染が疑われる方

・すでに感染の診断がされている方

除菌後の胃カメラ検査をご相談したい方

・気になるけどどうしたらよいかわからずお悩みの方

ぜひ当クリニックへお気軽にご相談ください。

下記webまたはお電話03-6380-1905からご予約ができます。

https://ssc8.doctorqube.com/shinjuku-shimada-naika/

次回、「ピロリ菌の診断方法」についてお話をさせて頂きます。引き続きよろしくお願いいたします。

新宿しまだ内科クリニック院長 高林英日己