大腸がん、ポリープからの癌化の話。|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

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大腸ポリープのお話

大腸がん、ポリープからの癌化の話。

新宿しまだ内科クリニック高林です。

今回は大腸がんの進行についての内容です。

大腸がんの発生には進展形式には複数あリます (adenoma-carcinoma-sequence, de novo, serrated pathwayなど)。
ある時がんが出現する (De Novo癌)進展する形式。この場合の大腸がんは小さくても顔つきが悪く、進行スピードが早い特徴があります。
あるいは、多段階でがんができ進展する形式。大腸においては、ポリープと呼ばれる段階を経て大腸がんへ進行していくパターン
(adenoma-carcinoma-sequence)で、こちらはDe Novo癌に比べて進みはゆっくりではあります。
大腸がんは後者のパターンの頻度が多いことが現状であり、
こちらの進展形式について下記のイメージ図を引用させていただき説明いたします。
     

adenoma-carcinoma-sequenceのパターンの説明です。
ある日突然進行したがんが現れることはなく、まず前がん病変が出現します。これに相応するものが大腸腺腫、広義の意での大腸ポリープになります。大腸腺腫はあくまで良性です。
時間経過とともにがんのポテンシャルが高まり、一部ががん化してきます。これが早期がんの状態です。経過とともに全体のがん化が進み、かつ、根を伸ばすかのごとく大腸粘膜の下へ下へともぐりこんでいきます。深くもぐりこむ過程で血管やリンパ管に入り込むと、血流やリンパ流の流れに乗って、大腸の外側にあるリンパ節、さらには他の臓器へと飛び火していきます。これが転移とよばれるものです。

早期で治療を介入することで、当然根治の確率が高まります。このため、ある程度のサイズのポリープはがんのポテンシャルを有することから、実際にがん化してしまう前につみとってしまうことが推奨されています(大きさについてはまだ意見がわかれています)。

近年のアメリカで大腸がん死亡率が低下した背景には、多くの人たちが大腸検査受診可能なシステムを取り入れ、かつ、できる限りポリープを切除するclean colon (ポリープのないキレイな大腸)を目指した背景があると言われています。次回はこの点について少しお話しを加えてみます。

日本では便潜血検査で仮に要精査となってもなお大腸カメラ検査を行わない方が多いのが実状です。大腸がん大国となってしまった日本にとって、ここが現在の問題であり是正すべき課題となっております。次回はアメリカの大腸がんが減った背景についての内容です。

大腸がんについてご不安な方、
大腸がん検診の便検査で要精査になってしまった方、
大腸カメラのご相談されたい方、ぜひ当クリニックへご相談ください。

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新宿しまだ内科クリニック院長 高林英日己