世代別ピロリ菌の感染率。65歳以上は2人にひとり。|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム
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ピロリ菌の話
ピロリ菌の話
新宿しまだ内科クリニック高林です。
今回は世代別ピロリ菌の感染率の話題です。
近年のわが国のピロリ菌感染率は以前と比較しますと低い傾向になっております。
しかしながら世代によってはピロリ菌の感染者が多いのも事実です。
下記の報告によると、
60歳代以降では、「2人に1人」が感染している割合となっています。
逆に、今の若い世代、特に10代での感染率はわずか数%との報告です。
Chaochen Wangらの報告で、出生年とわが国のピロリ菌の感染率の傾向のグラフがありますので掲載させて頂きます(縦軸が感染率、横軸が出生年になります)。
出生年別に予測されたH. pylori感染率は下記になります。
ご自身の年代ではどのくらいに当てはまりますでしょうか?
1920年:104歳 65.9% 1930年: 94歳 67.4% 1940年: 84歳 64.1%.
1950年: 74歳 59.1% 1960年: 64歳 49.1% 1970年: 54歳 34.9%
1980年: 44歳 24.6% 1990年: 34歳 15.6%. 2000年: 24歳 6.6%
Changing trends in the prevalence of H. pylori infection in Japan (1908-2003): a systematic review and meta-regression analysis of 170,752 individuals. (Chaochen Wang, at el: SCi Rep. 2017 Nov 14;7(1):15491.doi: 10.1038/s41598-017-15490-7. )
なぜこのような世代間で感染率に差が生じているのでしょうか?
その理由はピロリ菌の感染ルートにあるようです。
ピロリ菌は水を介して経口的に感染すると言われています。日本の衛生状態がまだ確立されていなかった時代や、井戸水を飲料と使用していた時代には多くの方に感染をしました。また、感染した方と一緒に生活をしているだけでは感染はしませんが、主に親子間で食事の方法(食べうつし、今はほとんどないとは思います)などにより感染したと言われています。しかし、近年の日本の衛生状況は世界随一となり、この結果ピロリ菌の感染率が大幅に減ったとされます。
もしも感染してた際にも、長年の罹患に伴う慢性胃炎の程度がひどくなる前に早期の発見と早期の治療を行う活動がされています。すべての市町村ではありませんが、小中学生で尿検査でピロリ菌に感染している可能性が高いお子さんを抽出し、より確実な検査でもし陽性となった際には除菌治療を検討する予防医療に取り組んでいる地域もあります。
このままピロリ菌の感染率が下がっていくと、わが国の胃がん患者数はおそらく減少し、近い将来胃がんが稀な病気となる日が来るかも知れません。
とはいえ、現在感染している方は除菌治療を、
そして、除菌後も定期的な胃カメラ検査が重要です
ピロリ菌検査、治療、胃カメラ検査についてご相談の際はぜひ当クリニックへいらしてください。
下記webまたはお電話03-6380-1905から受診のご予約ができます。
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次回からは大腸の話題を検討中です。引き続きよろしくお願い申し上げます。
新宿しまだ内科クリニック 院長 高林英日己