機能性胃腸障害の成因と治療について|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

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機能性胃腸障害

機能性胃腸障害の成因と治療について

新宿しまだ内科クリニック高林です。

機能性胃腸障害(ディスペプシア):Functional dyspepsiaという病態についてお話ししました。検査で幸い異常がない、けれども消化器症状がある。そういった疾患のひとつです。
イコール機能性胃腸障害ではありませんが、その可能性を考え診療をすることで改善することもあります。今回はその成因についての内容です。

大事なことなので再度の確認ですが、機能性胃腸障害はしかるべき検査で器質的疾患が除外されつつも消化器症状(胃もたれ・胃痛など)を呈する疾患です。明らかな食欲低下、過度な体重減少、医師目線から明らかな全身状態の悪さを呈する際は必ず客観的な検査(血液検査・内視鏡検査・画像検査)が必要になります。

幸い検査で異常がない、でも各種消化器症状が生じるのかについてです。
その成因には主には消化管の運動が関与していると言われています。
食道・胃・十二指腸・小腸・大腸は食物を運ぶ運動をしていますが、その動きにバランスを欠いたり、消化液やその成分である消化酵素に対する感受性が変化するなど、複数の要因が交絡し症状を感じてしまうとされています。原因にはストレスをはじめとした不安・緊張・生活の乱れなどが深くかかわっているとされています。その理由は消化管の運動は自律神経によって規律正しく保たれているからです。

『脳腸相関』と『機能性胃腸障害』
消化管は脳からの指令を受け、ほど良いバランスで伸びたり縮んだりする運動と適切な消化液の分泌を行うことで日々の消化吸収の作業をこなしています。また胃腸から脳へも運動を制御する合図を送り、お互いに情報をやりとりしながら食事摂取の調節、摂取した食物の運搬と消化、吸収、排泄といった一連の流れを適切に維持しています。
その連絡網は主に自律神経を介して行われます。ここで、精神的なバランスが不安定になると自立神経のバランスが崩れます。つまりお互いの連絡や司令が正確に行き届かなくなります。その結果、消化管の動きはアンバランスとなり、食事を摂取する、運搬する、消化する、吸収する、排泄するこの一連の流れに乱れが生じます。この結果各種症状を呈することになります。
わかりやすい例では、こどもの頃、テストや運動会あるいは試合の直前に急にお腹が痛くなったり、悩みごとで食欲がわかなかったりなど、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。これらは短期的ではありますが自律神経の乱れが消化器症状を呈する一例だと考えます

成長するにつれ、職場、学校、対人関係、その他多くの様々な精神的負担をかかえる場面に多く遭遇します。
そういった影響は機能性胃腸障害を引き起こす一因とされています。もちろん機能性胃腸障害の方々全員が背景に過度なストレスをかかえているわけではありません。そのような状況が多いとされているまでです。

消化器内科的なアプローチとして、消化管運動や消化液の分泌などを調整するお薬で対応を図り症状の改善を目指します。しかし、過度なストレスがある場合は背景にある問題点が解決されない限り何をしても全くよくならないケースもございます。実際にメンタルクリニックと併診しながら消化器薬を調整することも現場では数多くあります。逆に、背景的な因子が良い方向へ向かう、解決するなどがあれば消化器症状もあっという間に良くなるケースも多々あります。

機能性胃腸障害と診断した際には、その症状に合わせた処方薬を検討し改善を目指します。しかし、どのお薬が効果を得るかはは少なからず個人差があります。また、必ずしも超即効性がないこともお見受けします。相談して始めた薬はしばらくきちんと服薬頂き、その後の症状経過を確認し、その上で処方内容を適宜修正を加えていくことが診療上は大切になります。また、全例でストレス的なことをかかえているわけではありませんが、もし背景に不安・緊張などの心理的負担を背負っている場合はこれらを解決することも重要になります。

機能性胃腸障害(ディスペプシア)と診断された、
他医療機関で検査をして問題ないと言われたが、症状があってお
困りである、

そのような方はぜひ当クリニックへ来院頂き一緒にご相談しましょう。

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新宿しまだ内科クリニック院長 高林英日己