機能性胃腸障害（Functional dyspepsia：機能性ディスペプシア）の成因と治療｜新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

機能性胃腸障害（Functional dyspepsia：機能性ディスペプシア、以下FD）とは、検査で器質的疾患が除外されたものの消化器症状（胃もたれ・胃痛など）を呈する疾患です。

原則として、明らかな食欲低下・過度な体重減少・顕著な全身状態の悪さを呈する場合は、必ず客観的な検査（血液検査・内視鏡検査・超音波検査やCT等画像検査など）が必要になります。

FDの成因には主に消化管の運動が関与していると言われています。
食道・胃・十二指腸・小腸・大腸は食物を運ぶ機能がありますが、①その動きが悪くなったり、②消化液（消化酵素）の作用が変化するなど、複数の要因が重なると症状が起こるとされています。

機能低下の原因にはストレス（不安・緊張）や生活習慣の乱れなどが関与しています。消化管の運動は自律神経によって規律正しく保たれているため、この様な影響を受けやすいとされています（詳しく説明すると『脳腸相関』と『機能性胃腸障害』の関係を話す必要がありますが、話が長くなるので今回は省略します）。

治療としては消化管運動や消化液の分泌などを調整するお薬で対応を図り症状の改善を目指します。しかし、過度なストレスがある場合は背景にある問題点が解決されない限り何をしても全くよくならない場合もあります。実際にメンタルクリニックと併診しながら消化器薬を調整することも現場では数多くあります。
逆に、背景的な因子が良い方向へ向かう、解決するなどがあれば消化器症状もあっという間に良くなる場合も多くあります。

どの内服薬がどれだけの効果をもたらすかに関しては患者様ごとに個人差があります。また、必ずしも超即効性がない場合もあります。

このため、相談して処方された薬はしばらく定期的に服薬し、症状の経過を確認し、その上で処方内容を適宜修正を加えていくことが診療上は大切になります。

全ての患者様がストレス等をかかえているわけではありませんが、もし背景に不安・緊張などの心理的負担を背負っている場合はこれらを解決することも重要になります。

機能性胃腸障害（ディスペプシア）と診断された方、他医療機関で検査をして異常は無いものの症状でお困りな方、ぜひ当クリニックへ来院頂き一緒にご相談しましょう。

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新宿しまだ内科クリニック院長　内田　隆行