春の花粉症 〜東京は昨年の約1.4倍の飛散量〜|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

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花粉症

春の花粉症 〜東京は昨年の約1.4倍の飛散量〜

スギ花粉シーズン到来

いよいよ今年も本格的なスギ花粉の飛散が始まりました。
小生も2月22日からビラノア単剤ではややコントロールが悪く、小青竜湯と言う漢方薬の併用を始めました。またそれでもコントロールが悪く、3月1日からビラノアをザイザルに変更し、点眼薬と漢方で難を凌いでいます。

アレルギー学会からは飛散するシーズン前からの内服が望ましいとされており、小生も1月中旬から内服治療を開始していますが、今年のスギ花粉は手強い様で軽度ではありますが目の痒みが続いています(昨年に比べ東京は1.4倍の飛散量が予想されています)。
花粉に暴露されることを避けるために、マスク着用コンタクトレンズの使用を控える空気清浄機を使用する洗濯物は極力屋内乾燥外干しの洗濯物は取り込む前に花粉を払うなど、地道な対策もしています。

最適な治療は個人差があり、実際にどの薬がご身に合うかは試してみないとわからないこ印象があります。小生もルパフィンはよく効くと言われ内服してみましたが倦怠感(かったるさ)が強く数週で内服を断念しました。

また倦怠感と眠気は紙一重なのか、まず眠くならないと言われているビラノアでさえも小生は花粉が本格的に飛び始めると僅かでは有りますが倦怠感を覚えます。

今回は当院で可能なアレルギー治療に関して説明します。
残念ながらステロイド注射・ゾレア・舌下免疫療法は現在行っていませんのでご注意下さい。

内服薬で症状を緩和(改善)させる治療

抗ヒスタミン薬・ロイコトリエン受容体拮抗薬・漢方薬

くしゃみや鼻水にはヒスタミンが関与し、抗ヒスタミン薬が有効です。副作用(眠気・倦怠感)や効果は個人差があり一概にどれが最適とは言えません。症状の程度や副作用をみながら医師と相談の上で、ご自身に最適な薬剤を選択していく事が重要です。

鼻閉感(鼻づまり)にはロイコトリエンが関与しており、ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)が有効です。ロイコトリエン受容体拮抗薬は、炎症メディエーター(アレルギー反応を引き起こす物質)であるロイコトリエンの働きをブロックして、鼻や気道の腫れ・狭まりを和らげることで、鼻閉感(鼻づまり)アレルギー症状を改善する内服薬です。喉の痒みに関しては直接・即効的に効く薬ではありませんが、炎症で過敏になった神経や気道の過敏性を抑えることで間接的な効果が期待できます。
眠くならない治療薬漢方があります。数種類あり、症状や体質に合わせて選ぶ必要があります。止めどのない鼻水・くしゃみには小青竜湯(ショウセイリュウトウ)が有効のほか、寒気のある方や高齢の方麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)もお勧めです。鼻詰まりには辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)が有効です。
また、当クリニックでは大青竜湯も処方可能です。小青竜湯を飲んでも鼻水が止まらない方や熱感が強くて辛い方に効果が期待できますが、やや強めの漢方のため発汗過多・動悸・胃部不快感・不眠・むくみ・体重増加などの副作用の報告があり、相談の上で必要な方に限り処方する様にしています。

外用薬で症状を緩和(改善)させる治療

点鼻薬・点眼薬・眼瞼クリーム

点鼻薬は鼻の粘膜に直接成分を届けるため、内服薬よりも鼻づまり、鼻水、くしゃみに高い効果を発揮します。点鼻薬には様々な成分(ステロイド、抗ヒスタミン薬、血管収縮薬)、デバイス(液体噴霧、パウダー吸入)があり症状によって使い分けが必要です。症状の程度や副作用をみながら医師と相談の上最適な薬剤を選択していく事が重要です。

点眼薬は目の痒みに有効です。通常は抗アレルギー作用のあるケミカルメディエーター抑制薬あるいは抗ヒスタミン作用の目薬を使用します。効果が不十分であれば、ステロイドの点眼薬を使用する事もあります。

また2024年5月から目の周り(まぶた)に塗る世界初のクリームタイプの治療薬としてアレジオン眼瞼クリーム0.5%が発売されています。1日1回入浴後に塗るだけで瞼から浸透し、24時間の効能が期待されます。点眼薬が苦手な方やメイクの都合で点眼薬が使用できない方にお勧めです。

注射薬で症状を緩和(改善)させる治療

抗体薬注射(ヒスタグロビン(免疫グロブリン)+ノイロトロピン)
※ゾレアやステロイドなどの治療は当クリニックでは行っておりません。

花粉症の薬を内服・外用しても、症状に困っている方には注射薬による治療を勧めます。
当院ではヒスタグロビン・ノイロトロピンによる治療が可能です。これらの薬剤は花粉症に対するアレルギー反応を緩和する効果があります。
万人に効果が有効ではないこともありますが、かなりの割合で改善を期待出来る事から毎シーズンごとに治療に来院される方々も多くいらっしゃいます。
春だけではなく毎シーズンごとに飛散する花粉により症状を呈される方もいますので、春・秋の2度治療する場合もあります。

週1〜2回(最低3〜4日はあける必要があります)で割合で皮下注射を行い、合計で6回投与を行います。効果のない場合は翌々月から再度投与が可能です。
1クールの治療でおよそ2〜3ヶ月は効果が持続すると言われています。

・ヒスタグロビン

献血された血液から作られるヒト由来成分を使用しています。このためいくつかの注意事項があります。

1.ごく稀ではあるがヒトパルボB19ウイルス等の感染リスクが完全に否定できない。
献血を希望される方は安全確保目的で最後の注射から最低3か月間は献血ができない(控える必要がある)といった制限が設けられています。
日本国内はウイルス感染の報告はありませんが、海外では溶血性貧血の方に投与しヒトパルボウィルスB19を発症したケースが報告されていますが、報告件数は少数となっています。
2.人免疫グロブリンを含んでいるため生ワクチンに影響を生じる事がある。
麻疹・風疹・おたふく・水痘ワクチンなど生ワクチンの抗体獲得率に影響を与える(効果が弱まる)可能性があり、予防接種の前後3ヶ月は投与を控える必要があります。
3.月経直前・月経中、妊娠中は接種を避けることが望ましい。
月経周期によるホルモンバランスの影響でアレルギー症状が一時的に強まる可能性があるため、月経直前や月経中は接種を避けることが望ましいとされます。
妊娠中は、胎児への安全性や影響が確認されていないため、原則として使用を避ける必要があります。
4.喘息発作時は接種を避けることが望ましい。
喘息発作時は薬剤に含まれる成分や注射の刺激で喘息症状が悪くなる可能性があり、喘息が落ち着いてからの投与を勧めます。
5.免疫異常のある方や副腎皮質ステロイド剤を常用しているは接種に注意が必要です。IgA欠損症の方はアナフィラキシーショックなど過敏反応が起こる可能性があり、注意が必要です。ヒスタグロビンはヒトの血液から作られており、微量のIgAを含んでいます。これを注射すると、待ち構えていた「抗IgA抗体」が一斉に反応し、アナフィラキシーショック(血圧低下、呼吸困難、じんま疹など)という激しい過敏反応を引き起こす恐れがあります。このため免疫異常のある方は投与に注意が必要となります。
副腎皮質ステロイドは免疫の働きを強力に抑える薬です。ステロイドを内服していると、ヒスタグロビンによって本来作られるはずの抗体がうまく作られず、治療効果が十分に得られない可能性があります。
6.肝機能障害の既往がある方は接種に注意が必要です。
肝障害がある場合は薬剤やその代謝産物の処理能力が低下しているため、一般的な薬剤でも肝機能障害の増悪が予測されます。
明確な発症機序は確立されていませんが、ヒスタグロビン投与時も薬剤代謝時の肝臓への負荷が起こる可能性があり、肝障害の既往歴がある方は血液検査で肝機能を観察しながら慎重に投与することが推奨されます。

生物由来の薬剤ではあるものの、製造過程において危険な細菌・ウィルスなど全ての微生物の排除がされていて製造検定段階においてもあらゆる微生物検査が厳重に行わております。1967年に国内で発売されて以来、一度も感染症を起こしたことのない安全性の高い薬剤と言えます。
副作用に関してはごく稀ではありますが、蕁麻疹発疹皮膚の痒み頭痛発熱注射部位の硬結や腫れの報告があります。

・ノイロトロピン

ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を主成分とする医薬品です。鶏卵やウサギを用いてウイルスを培養し、成分を抽出・精製することで作られます。他の薬剤に比べて体に大きな負担をかける事が無く副作用や依存性の心配が非常に少ない薬剤です。
また血液製剤ではないため、献血を控えるなどは必要ありません。

薬の特徴としては下行性疼痛抑制系という神経機構を活性化する事によって痛みを軽減する作用があります。花粉症に関する作用機序は明確には判明していませんが痛みの抑制に作用するのと同様にアレルギーに関わる神経機構に作用することが予測され、くしゃみ・鼻水・鼻の違和感・目の痒みなどの幅広い主要症状に効果があります。
ヒスタグロビンとは異なる作用を示すため双方を使用することでより花粉症症状を緩和できる目的があります。

今回も長文で乱筆乱文なコラムとなり申し訳ありません、近いうちに要約したコラムも掲載検討します。
花粉症の症状でひどく困っている方は、当クリニックで是非ご相談ください。

下記webまたはお電話03-6380-1905から受診のご予約ができます。
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新宿しまだ内科クリニック院長 内田隆行

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