ピロリ菌と検査の話|新宿しまだ内科クリニック 公式コラム

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ピロリ菌

ピロリ菌と検査の話

以前にピロリ菌の概要に関するコラムを書きましたが、今回はピロリ菌の健康への影響(胃がんとの関係)と、ピロリ菌の検査に関しての記事を投稿します。

ピロリ菌(Helicobacter Pylori)と胃がんの関係

ピロリ菌はヘリコバクターピロリ菌(Helicobacter pylori)と言われる細菌で、人の健康に影響を与えます。ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍胃MALTリンパ腫特発性血小板減少性紫斑病など幾つかの病気との関連が報告されていますが、今回はピロリ菌の胃がんに対する影響について解説します。

胃酸は非常に強力なためピロリ菌は生存のため「ウレアーゼ」という酵素を生成・放出し、Cag-AやVac-Aと言う毒素を胃の壁に注入します。

ウレアーゼは胃の中の尿素を分解してアンモニアを作ります。アンモニアはアルカリ性でピロリ菌を守るバリアになりますが、人間にとっては強力な刺激物のため胃粘膜を直接腐食させ、炎症(胃炎)や潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)を引き起こします

Cag-AやVac-Aと言う毒素は胃の細胞を壊しピロリ菌に栄養分(尿素や鉄分など)を与え細胞への定着を助けますが、人間にとっては胃炎を引き起こされる事に加え、毒素自体が発癌作用があるため胃がんのリスクにさらされます。

ピロリ菌に伴う胃炎に対して、多くの方々が何も症状を感じないとされています。
市町村や企業での健診・人間ドックなどで、たまたま受けた胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)などの検査で偶然にピロリ菌感染を診断されることが状況としては多く見受けられます。

ピロリ菌は胃がん発症に影響するため、感染がわかった際には症状が無くてもピロリ菌治療が推奨されます。日本では約90%以上の非常に高い成功率でピロリ菌の除菌治療が可能となっています。

ピロリ菌検査の対象者(検査を受ける条件)

以下の方々でピロリ菌の検査を受けた事がない場合は検査を勧めます。

胃カメラ検査でピロリ菌の影響による胃炎(萎縮性胃炎)の所見がある方

活動性の胃・十二指腸潰瘍潰瘍の傷跡を認めた方

早期胃癌に対して内視鏡治療を受けた方

ピロリ菌が胃内にいると萎縮性胃炎と呼ばれる特徴的な胃粘膜の変化を認めます。ピロリ菌感染が長期渡ると徐々に胃が荒廃し胃がんの発生リスクが高まります。
また胃・十二指腸潰瘍など消化管出血を呈するご病気は、ピロリ菌の除菌治療で大幅に発症と再発率が下がります。このような理由から上記に該当される方々はピロリ検査が推奨されます。

以下の方々が厚生労働省で定められた保険診療で可能なピロリ菌検査の対象になります。
(厚労省:「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」より)

内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者

胃MALTリンパ腫の患者

・ 特発性血小板減少性紫斑病の患者

・ 早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者

内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者

胃カメラ検査でピロリ菌が関与している所見(胃炎や潰瘍)がある事、バリウム検査で胃・十二指腸潰瘍を指摘された事がピロリ菌検査の必須条件となります。

上記に該当しない方でピロリ菌検査のご希望がある場合は自費診療であれば検査が可能です。

ピロリ菌の検査

検査方法は主には以下の5つが選択されます。

①血液検査(血清抗体価測定)・ 尿検査(尿中ヘリコバクター・ピロリ抗体測定

採血・採尿検査です。ピロリ菌に対する抗体価を調べます。数値で表示され、今現在感染している方、あるいは過去に感染していた方、の双方で数値が上昇します。
このため、ピロリ菌が消えたかどうかの除菌治療後判定目的では行いません。また検査値が微増の場合は、他の検査を追加する場合もあります。検査前に中止する薬剤は原則ありません。血液検査が当院では検査可能です。

② 尿素呼気試験(Urea Breath Test、呼気テスト)

病院で検査薬を内服し、内服20分後に息を採取する検査です。現感染の有無を明瞭に判断できます。除菌治療の効果判定(成功または不成功)として最も使用されます。当院でも検査可能です。

正確な検査結果を得るには以下の制約が必要です。P-CABやPPI(タケプロン、ネキシウムなど)といった強力な胃酸分泌抑制薬はピロリ菌の活動が落ちウレアーゼ量が減るため検査約2週間前から、抗生剤はピロリ菌の量が減るため4週間前から服薬を中止する必要があります。胃の症状がある方は胃薬を変更し対応します。
検査当日の食事も中止が必要となります。

③ 便中抗原検査(ヘリコバクター・ピロリ糞便中抗原測定

自宅で便を採取し、クリニックに提出する検査です。
便に排出されるピロリ菌の抗原の有無(陽性または陰性)を調べ、現感染を評価します。検査としては優れた検査のひとつですが、

②と同様に検査結果に影響が出るおそれのあるいくつかの胃薬を事前に中止・変更を頂くことがあります(保険診療上一部の薬を内服継続で行えないため)

内視鏡下生検(培養法・組織鏡検法・迅速ウレアーゼ試験 )

胃カメラで胃粘膜の一部を直接採取し検査します。胃カメラ検査と同時に行えます。

採取した胃粘膜を下記いずれかの検査で精査をします。

・培養法
1〜2週間で結果が出る、粘膜中のピロリ菌を培養して調べる検査です。感度(菌がいる人を正しく陽性と判定する力)が高く、当クリニックで採用

・組織鏡検法
1〜2週間で結果が出る、組織を染色し顕微鏡でピロリ菌の存在を直接調べる検査です。労力が必要とされる検査です。

・迅速ウレアーゼ試験
1時間程で結果が出る迅速検査です。呼気テストと同様に一定の薬を事前に中止する必要があります。菌が少ない場合や、除菌治療直後では正確な判定が出来ない事もあります。

⑤ 胃液PCR検査
(ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出)
50分〜1時間程度で結果が出る、胃カメラ(内視鏡)検査中に採取した胃液を使って、ピロリ菌の遺伝子(DNA)があるかどうかを調べる最新の検査です。
血液や組織を採取しないため体への負担が少なく、精度が高くピロリ菌治療薬に用いるクラリスロマシンへの薬剤耐性も分かるのが特徴です。一方でPCRの機材がない病院では外部委託検査となり

 

感染していても無症状であることが多いものの、ピロリ菌は胃がん等いくつかの病気に関連します。胃がん発症予防目的で、感染がわかった際は症状が無くてもピロリ菌治療が推奨されます。まずは検査を受けてピロリ菌の有無を確認されてみては如何でしょうか。

ピロリ菌陽性と診断された方、除菌治療をされた方、ピロリ菌を心配される方、ぜひ当クリニックへ御来院頂き一緒にご相談しましょう。

下記webまたはお電話03-6380-1905から受診のご予約ができます。
https://ssc8.doctorqube.com/shinjuku-shimada-naika/

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